今なぜ、マッカーサーなのか?

Mb024_5日本の大君となった
マッカーサーとはどんな人
川柳の窓からのぞいたマックの素顔

著者:中島茂

天皇をとことん盛り立てて敬愛した。川柳があなたをぐいぐい引っぱって、マッカーサーの謎 に迫っていく。
この、川柳とマッカーサー物語の合い呼応した調和、あなたは読み始めるとすぐにそれを実感します。

日本二千年の歴史の中で、かつて経験したことのない昭和の大敗戦!! 滅亡の淵から日本を立ち上がらせたのは、昭和天皇とマッカーサーの、尊敬と相互信頼に満ちた巧みなチームプレイであった。いま、昭和時代の回顧と大検証の大きなうねりが起こりつつある。いまこそマッカーサーを再認識すべきだ!!

版型:A5版 ページ数:251頁
発行年月日:2008年2月1日 初版発行
定価:1500円(1425円+税)(代金は下記) ISBN:978-4-89623-040-6
ジャンル:歴史
(以上、出版社ホームページから)

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「やがて、五つ星の元帥旗を立てた黒塗りの乗用車が到着して、マッカーサー元帥が窮屈そうに体をかがめながら車から出てきた」


「彼がすっと立ち上がったその瞬間、『わあー、
大きいな!』と、心の中で驚きの声をあげたことを私は今でも鮮明に覚えている」

「両脇の見物の群集に軽く会釈して、GHQの玄関扉の中に消えていったときに垣間見た、マッカーサー元帥の引き締まった横顔は、不動、不屈の人生を歩んだ人のみが持つ顔だったと、今になってしみじみ想いおこされる」

 以上の私の感想は、昭和24年の夏ごろのことである。
 あの太平洋戦争に一兵卒として参戦した私は、敵の最高司令官ダグラス・マッカーサーを一目見たいとの想いに駆られていたので、前述の、大勢の見物人の群衆の中にいたのだ。

 終戦後半世紀を過ぎても、私のマッカーサーに対する関心は衰えることはなかった。その要因はマッカーサーは実に謎の多い人物だということに尽きる。 彼にまつわる、なぜ、なぜという謎が実に多く、いったい彼は何を考えていたのだろうと思わせるが、本当の原因はいまだ解明されていない部分が多々ある。それら謎のうちの筆頭クラスをいくつか挙げてみよう。

■ 彼はトルーマン大統領に罷免されるまで14年間もアメリカに帰っていない。12歳になる一人息子、アーサーにも母国アメリカの姿を見せていない。
■ 日本占領のため厚木に上陸してから三日後、東京湾外のミズーリ号上での日本降伏調印式を午前中にさっさと一時間で済ませ、午後はゆっくりと幕僚たちを引き連れ鎌倉の鶴岡八幡宮を参拝している。しかも、一般の日本人参拝客顔まけの、宮の形式に則った丁重な礼拝で、立ち会った宮司を感嘆させている。

■ 
なぜ彼はあれほどまで天皇を擁護し、敬愛し続けたのか? 天皇の協力がなければ彼の日本占領政策は頓挫し、彼がそれまで長年にわたり積み上げてきた栄光の座は崩れ去ってしまう。そのような理由を計算に入れてもなおかつ謎は残る。やがて宮中では、マッカーサーの家系に日本人の血脈ありとの噂までささやかれ始まる。

■ 
敗戦直後、日本人一千万人飢死説が巷に流れ、新聞紙上でも報じられた.そのような情勢の中で起こった昭和21年5月19日の宮城前の食糧デモ。デモ隊の一部は皇室の台所にまで入り込んで、天皇は何を食べているのかを暴き立てた。翌日、マッカーサーは日本人に向かって、今後このような暴動は二度と起こさないようにと強く警告すると同時に「自分が在任中は一人の日本人餓死者も出さない」と言明し、吉田外務大臣に約束している。廃墟の祖国へと、海外からの引揚者で八千万にも膨らんだ日本の人口。その中から一人の日本人餓死者も出さないようにするなどと、だれが正気で約束できるものだろうか? それができるのは神以外にはいないのではなかろうか? マッカーサーはそれを実行したのだ!!

■ 神の座から一転、醜悪な下界に転落したかのような怨念のマニラ裁判。開戦初頭フィリピンでの屈辱の敗戦を始めて自分に味合わせ、栄光の座から一時引きずり落とした憎い本間と山下。裁判は二の次三の次、一刻も早くきゃつらを処刑しなければ腹の虫が収まらない。神から悪魔へ、彼の見せたこのすざまじい復讐心。 彼のこの大きな落差はいったい何なんだろう?

 資料を集めだしてからでも十年、最初は考えても見なかったマッカーサー元帥に関する本が出来上がってしまった。

 
ところで、私は多くの皆さんにここで告白をしなければならない。ということは、私自身がびっくりするように、この本の仕上げを可能にした原動力がもう一つほかに出てきたことである。その原動力こそ「川柳」なのである。マッカーサーについて書き始めると、私の脳の中に、まるで地中から天然のガスが吹き出てくるように、ポコポコと、川柳の芽が文中の要所要所に顔をのぞかせてくるのである。川柳には素人の私は、以来川柳専門の先生の指導を受け、川柳を織り交ぜながら叙述を進めていった。

 このプロセスは作業を苦しみから楽しみに変えてくれ、以後私は比較的スピーディにこの本をまとめあげることができた。その結果、本の内容については「読みやすく、読み進むにつれ興味が深まっていく」、「川柳の出てくるところは、読書のいい休憩場所になっている」、と大勢の人たちから肯定的な評価を頂いています。 川柳と物語りの微妙な合性、意外な結果に私自身驚いています。

 
いま、昭和時代の回顧と大検証の大きなうねりが起こりつつある。いまこそマッカーサーを再認識すべきときだ!!

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